本記事では、数列、等比数列、等比級数、無限等比級数の概要について記述します。
数を列に並べたものを一般に数列と呼びます。例えば、フィボナッチ数として知られる数の数列は以下のようになります。
$$ 0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, {\cdots} $$
数列の最初の数を初項と呼びます。上記フィボナッチ数列の例では 0
が初項です。
初項を a
として、次の項が前の項の定数倍となっている数列、すなわち n
番目の項が n-1
番目の項の r
倍となっている数列を一般に等比数列と呼びます。ここで r
を公比と呼びます。 例えば、初項を 1
、公比を 2
とした数列は以下のようになります。
$$ 1, 2, 4, 8, 16, 32, 64, 128, {\cdots} $$
等比数列の一般項、すなわち第 n
番目の項は、以下のように表すことができます。ここで a
は初項、 r
は公比です。
$$ \begin{equation} \begin{split} a_n = {a}{\cdot}{r^n} \end{split} \end{equation} $$
第 n
項までの等比数列の和(等比級数)は以下のように表すことができます。
$$ \begin{equation} \begin{split} S_n &= a_0 + a_1 + {\cdots} + a_n \end{split} \end{equation} $$
ここで、両辺に 1 - r
を乗じます。 r = 1
の場合の等比級数は自明なので、ここでは r ≠ 1
と仮定します。
$$ \begin{equation} \begin{split} S_n{\cdot}(1 - r) = a_0{\cdot}(1 - r) + a_1{\cdot}(1 - r) + {\cdots} + a_n{\cdot}(1 - r) \end{split} \end{equation} $$
ここで、等比数列の各項には以下の関係が成り立ちます。
$$ \begin{equation} \begin{split} a_{k+1} = a_k {\cdot} r \end{split} \end{equation} $$
(4)式を用いると、(3)式の右辺は以下のようになります。
$$ \begin{equation} \begin{split} S_n{\cdot}(1 - r) &= (a_0 - a_1) + (a_1 - a_2) + {\cdots} + (a_n - a_{n+1})\\ &= a_0 - a_{n+1} \end{split} \end{equation} $$
最終的に、等比級数は式(1)及び式(5)を用いて以下のように書くことができます。
$$ \begin{equation} \begin{split} S_n = { \frac {a {\cdot} (1 - r^{n+1})} {1 - r} } \end{split} \end{equation} $$
式(6)から、 n
が無限大の時の等比級数(無限級数)は式(7)となる。特に -1 < r < 1
の時、無限級数は収束します。
$$ \begin{equation} \begin{split} \lim_{n \to \infty} S_n = \begin{cases} \infty(r \ge 1)\\ {\frac a {1-r}}(|r| \lt 1) \end{cases} \end{split} \end{equation} $$