新興のIT企業を中心に、テックリードという役割が広がっています1。かく言う私もテックリードをやっているわけですが、果たしてこのテックリードとは、一体どんな役割なのでしょうか。翻って考えてみたいと思います。
何冊かの本から、あらかじめ参考になりそうな記述をメモしておきました。
どうも曖昧然としてはいますが、技術面でのリーダーシップを発揮する役割であることは間違いなさそうです2。いわゆるIndividual Contributor(IC)でも技術面でのリーダーシップを発揮することはありそうですが、違いは「チーム全体の生産性」に対する責任を負うかどうか、という点にありそうです。
面白い記事がありました。初出はWEB+DB PRESS Vol.103とのこと。
少し長くなりますが、引用します。
テックリードの仕事は輝かしく見えるかもしれない。ただ実態は、地味である。またそうであるべきだ。技術的にチャレンジだったり、やりがいのある仕事はテックリードのものではない。そういう「おいしい」仕事はお膳立てだけして、チームメートに譲るのだ。
それよりも、誰もやりたがらないものがテックリードの仕事である。ミーティングの進行役、先を見越したプロジェクトマネジメント、コードのクリーンアップなど。とにかくチームの生産性を上げることが使命である。また、表面上は成果として見えないようなものにも取り組むべきだ。たとえばチームの技術スコープが将来的に広がるような技術やデザインの採用を促進するなど。
自分がテックリードになって「自分の仕事は地味だな」と感じたら、うまくいっている証拠なのでがんばってほしい。
(Minowa (2018))
とにかく地味に、チームの生産性を上げることがテックリードの使命であるということ。また、チームメートが活躍するためのお膳立てをして美味しいところは譲ることもテックリードの仕事である、とも書いています。
「テックリード」という響きは何やら格好いいですが、その響きほど格好いい役割ではなさそうだということがわかりました。改めて、自分自身のテックリードとしての仕事を振り返ってみたいと思いました。
Forkwellさんからインタビューを受けて、テックリードをしていた時の仕事の内容や、その難しさ、楽しさについて話しました。以下の記事に掲載されています。
自分のコメントが掲載されていることを差し引いても、何人ものテックリードにその仕事内容をヒアリングした、面白い記事であると思います。