[書評] CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド

ジョン・メンソズの「ソフトスキルズ」という、「ソフトウェアエンジニアはどうやってより良いソフトウェアエンジニアとして生きるのか」みたいなことを書いた本があって、とても好きなんですが、同じ作者がその続編と言える「CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド」という、ソフトウェアエンジニアのキャリア形成について語った本が出ていたので読まないわけにはいきませんでした。

ソフトスキルズでもキャリアについて書かれていますが、それは本の一部を占めるに過ぎませんでした。それは、キャリアがソフトウェアエンジニアの人生の一部に過ぎないのと同じ理由です。その続編である「CAREER SKILLS」では、ソフトウェアエンジニアのキャリアについて、一冊の本として書かれています。ここでは、ソフトウェアエンジニアになる方法から、ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを伸ばしていく方法まで書かれています。

  • 第1部:ソフトウェア開発者になる方法
  • 第2部:就職する方法
  • 第3部:ソフトウェア開発の必須知識
  • 第4部:ソフトウェア開発者の仕事
  • 第5部:キャリアの伸ばし方

対象読者としては、初心者からキャリア形成中の開発者、経験を積んだプロフェッショナルまでが想定されていて、ソフトウェアエンジニアであれば何かしら得るものがあるのではないでしょうか。はじめに断っておきますが、663ページもある分厚い本で、値段も3,333円(税抜き)なので読み始めるのには覚悟がいります。私は覚悟ができましたので、読んでいきます。

第1部:ソフトウェア開発者になる方法

第1部は、ソフトウェア開発者でない人がソフトウェア開発者になる方法について書かれています。ソフトウェア開発者になるためには、まずはソフトウェア開発者になることが必要です。ソフトウェア開発者にならなければソフトウェア開発者にはなれないからです。では、どうやってソフトウェア開発者になるのか。

まずは一歩踏み出すこと、そして計画を持つことです。コードが書けるようになることは必要ですが、それだけではありません。まずはその全体像を知らなければなりませんが、それについて書かれているのが第2章「スタートの切り方」です。まずは全体像を知り、自分がどのようなソフトウェア開発者になりたいのかを考え、計画を持ち、一歩踏み出すのです。

そして、最低限一つのプログラミング言語を知らなければなりません。プログラミング言語を知らなければソフトウェア開発者にはなれないでしょう。当たり前ですよね?そして、一つ目のプログラミング言語を学ぶためには、相当の努力が必要です。その努力の方法について述べたのが、第6章「最初のプログラミング言語の学び方」です。最初に学ぶべきプログラミング言語?何でも大丈夫です。

ソフトウェア開発者としてのキャリアを始めるためには、3つの方法があります。①大学に通う、②ブートキャンプに通う、③独学する、の3つです。それぞれの方法でソフトウェア開発者になった人は存在しますが、どの方法にもメリット・デメリットが存在します。そのメリット・デメリットについて語ったのが、第7章「大学の効用」、第8章「コーディングブートキャンプ」、第9章「独学」になります。これからソフトウェア開発者になりたいという方は、これらの章を読んで自分なりに進路を決めるのが良いでしょう。

第2部:就職する方法

ここで書かれていることは、ソフトウェア開発の経験がない状態からソフトウェア開発の仕事に就く方法です。既にソフトウェア開発の仕事に就いているのであれば得るものはないかもしれませんが、これからソフトウェア開発の仕事に就こうとしているのであれば参考になるでしょう。既にソフトウェア開発の仕事をしていても、これから転職をしようというのであれば、履歴書の書き方など参考になる点はあると思います。

第3部:ソフトウェア開発の必須知識

ここはソフトウェア開発という、広大な分野を細分化して説明する章になっています。ソフトウェア開発には具体的にどのような職があり、どのようにして開発を行なっているのかという話です。Web開発、モバイル開発、バックエンド開発…。そしてウォーターフォール開発やアジャイル開発…。テスト駆動開発にユニットテスト…。コードのデバッグとメンテナンス…。覚えることがたくさんありますね。

第4部:ソフトウェア開発者の仕事

同僚との付き合い方など、ソフトウェア開発者としての働き方について解説した章になります。ソフトウェア開発者というとソーシャルスキルが低いようなステレオタイプがあるような気がしますが、そのソーシャルスキルを高めていこうという章ですね。ソフトウェアエンジニアであろうとそうでなかろうと、ソーシャルスキルが高いに越したことはないので、もしソーシャルスキルに自信がなければ本章を読むと良いかと思います。

第5部:キャリアの伸ばし方

どのようにソフトウェア開発者としてのキャリアを伸ばしていくか、その方法論を解説した章になります。我々はもちろんキャリアを伸ばしたいので(もちろんそうですよね?)、一読をオススメします。キャリアについて書かれた本は多数あると思いますが、ソフトウェア開発者のキャリアに特化して書かれたものってなかなかないと思います。本章は、キャリアについて迷っている方の指針になるのではないかと思います。

まとめ

Career Skills、分厚い本で通読するのに苦労しましたが、なんとか読み終えました。全体を通して、ソフトウェア開発者のキャリアについて書かれた、現時点で最も詳しい本であると言えるのではないでしょうか。少なくともソフトウェア開発者(またはソフトウェア開発者を目指している方)であれば、買って損はない本だと思います。この分厚い本を読み通す覚悟ができたら、是非読んでみてください。