インベスターZ、1巻から8巻まで読んだ感想

投稿日:2014年9月7日 更新日:

こんにちは、okuzawatsです。
毎日マンガを読んでいます。

この記事では、モーニングで連載中の「インベスターZ」を読んだ感想を書きます。

本作は、中高一貫の男子校に入学した財前孝史(ざいぜんたかし)という少年が無理矢理「投資部」なる部活動をさせられるハメになり、投資の世界に入っていく物語です。
なお、インベスターZの「Z」は「財前」のイニシャルに由来するとのこと。

作者は三田紀房(みたのりふさ)。
東大受験を題材にしたドラゴン桜、その続編・外伝的な位置付けで転職エージェントの仕事を題材にしたエンゼルバンクなどの作品が有名です。

インベスターZ、1巻を読んだ感想

インベスターZの第1巻を要約してみると、こういった感じになります。

  • 主人公の財前孝史が中高一貫校(北海道、男子校、進学校)の道塾学園に入学する。
    財前は学年トップの成績で入学したため、各学年(中学一年〜高校三年)の成績トップ入学者6名で構成される投資部へ半強制的に入部させられる。
  • この道塾学園は学費が無料である。
    それは、投資部が学園の資産を運用して得た利益を原資としているため。
    この方針は、開学の祖・藤田金七の理念「学校運営にかかる費用は資産運用の利益で賄い、学外から一切の援助を受けない」を受けたものである。
  • 投資部は130年間にわたって投資を続けてきており、現在の運用資産は3,000億円である。
    投資部の目標は、学園の資産3,000億円から年8%・240億円の利益を得ること、学園の資産を増やして次世代に渡すことである。
  • 投資部に入部した財前は、資産の一部(100億円)の運用を任されるも暴走し、投資部の先輩と一悶着を起こす。

本巻において財前は、早速100億円の運用を任されます。
本巻における財前の投資活動の内容はこういった感じです。

  • 先輩から「投資はカンと度胸だけのギャンブル」と煽られ、上場来最安値をつけていたソーシャルゲーム(ソシャゲー)株の「ゲーキチ」にとりあえず30億円ほど突っ込む*1。
  • 先輩からリスクが高すぎると叱られるも、俺が上がると思ってるから上がるんだと突っぱねる。
  • 投資部主将の神代から、「投資は最終的に運で決まるけど、運が向いてきた時により良い成果をあげられるように戦略を練っておくことも大事だよ」とたしなめられる。
  • 翌日、ゲーキチ株が10.1%上昇。
    先輩にさっさと売れと煽られる*2。
    幻覚には「調子に乗るな」と怒られる。
  • 授業中に麻雀の勉強をする。

三田紀房らしい作風が健在で、とても面白く読みました。

資産運用によって学校の運営費用を捻出することが投資部の目的なのですが、彼らは、どうやらデイトレードやスイングトレードのような手法を得意としているように見えます。
投資部の目的に照らして年金運用のようなスタイルをとっているのかと想像していたのですが、意外な印象を受けました。

物語としては、ファイナンスや経済史などの知識を物語の進行をからませており、ビジネスマン向けの読み物としてはなかなか面白いと思います。
ただ、これを読んで投資がうまくいくかどうかは、まだちょっと良くわからないです。

インベスターZ、2巻を読んだ感想

インベスターZの2巻では、以下のような感じでストーリーが展開します。

  • (前巻で買った)ゲーキチ株を持ち続けてゲーキチを応援したいという財前に対し、先輩は「我々が守るのは投資先ではなく、道塾学園である。自分の感情を捨て、投資の法則に身を委ねよ(意訳)」と怒られる。
    つまり、企業の応援とかそういうことはどうでも良く、利益をあげることが全てであるということです。
  • 先輩からゲーキチ株を売れと言われるも、ゲーキチ株は上がると信じて持ち続ける財前。
    ゲーキチ株の含み益が13%まで上昇するも、次の日は9%安。
    こういった場合、投資の初心者は塩漬けにしてしまうことが多いが、財前は塩漬けにすることなく利益を確定。
    「100点満点ではないが合格」という評価を受ける。
  • ゲーキチ株を利益確定できたことでラーメンをおごってやると街に連れだされる財前。
    ラーメンをおごってもらうはずが、何故か自腹でクソつまらない映画を観させられて怒り心頭に発する。
  • クソつまらない映画を観させるのは投資部の伝統であり、損切りのできる人間かどうかを見極める、または損切りの大切さを教えるためのものであった。
  • ゲーキチ株で味をしめた財前。
    人気ブログの受け売りで株を買おうとするも、先輩にバレる。
    投資について勉強してこい」と言われたり、「投資は勉強するな」と言われたりして右往左往する。
    この矛盾を解き明かすまで、投資部の部室には出入り禁止となる。
  • 財前、「投資の勉強とは、正解を知ることではない。問題を作り、その問題を誰よりも先に解くこと。投資に大切なことは、未来を予測する力である」と看破する。
    つまり、人々を幸福にするためにはどうすれば良いか?
    その答えを自分で見つけ、そのための努力をしている企業を探し出すことである。

過去は忘れる!これが投資家であるための絶対条件だ

株価は予測に対して形成されるものです。
予測はあくまで予測であり、現実とは異なります。
また、予測は往々にして誤りを含むものです。
正確な予測が不可能である以上、予測を誤る可能性があることを十分に認識し、過去の(誤った)判断に拘ることなく、合理的に資産を動かしたいものです。

俺達若者は夢中になれるものにしか興味が持てない。
楽しくなければ続けられない

第1巻の感想においてわたくしは、投資部が年金運用のようなスタイルではなく、デイトレードやスイングトレードのようなスタイルであることについて疑問を呈しました。
その疑問に対する答えがここらへんの話になるようです。

曰く、「年金運用のようなスタイルよりも、ヘッジファンドのような絶対収益を追求するスタイルの方が面白い。若者である投資部の面々は、夢中になれることしか続けられない。そのため、ヘッジファンドのようにエキサイティングなスタイルを取り入れるのが正解である」とのこと。

これはアラサーであるわたくしにとっても無縁の話ではありません。
人間、興味が持てないことを続けるのは苦痛なものです。
投資のスタイルはひとつだけではありません。
自分が興味を持てる、あるいは自分に合ったスタイルを持つということは大切なことであると思います。

インベスターZの第2巻では、物語にからめてプロスペクト理論の説明がなされてたり(映画館のくだり)、「投資とはかくあるべき」のような話が出てきて面白いです。こういうのを描かせると、さすが三田紀房であるなあと思います。

また、人類が抱えている課題とその解決策を想像してその課題を解決するための努力をしている企業を探すこと、良い株ではなくてクソ株を探してその中から将来的に状況が好転しそうな企業を探すこと、のような話は、わたくしの好きな長期投資的視点から見て、参考になる指摘だと思います。

ただ、こういう投資スタイルと、投資部が得意としているスイングトレードとはイマイチ親和性が無いような気がします。
そのへんを突っ込んでも仕方ないのかもしれませんが、どうしてもそこだけは気になってしまいます。
そういった細かい点を除けば、インベスターZの2巻、面白くなってきたところです。

インベスターZ、3巻を読んだ感想

インベスターZ、3巻のあらすじはこんな感じです。

  • (第2巻の終わりで)投資部の部室に現れた、財前の通う道塾学園の創始者・藤田金七の玄孫(やしゃご)・藤田美雪。
    財前に今年の投資目標を質問し、「8%である」という財前の回答に対して「コンサバねえ」と罵る。

    • 「素人に何が分かる」と罵り返す財前に対して、藤田は「9歳の時に投資した1万ドルを3年間で2,000万円にした私の方が投資経験がある」と主張する。
    • 藤田が身に付けていたブランド物の時計を見た財前。
      お前は投資家として三流だ」と罵る。
      その理由は、「その時計の値段の半分は広告費。投資家として一流になりたいのなら自分の中で価値のあるもの以外にはお金を払うべきではない」と主張する。
    • このタイミングで藤田を迎える車が来てしまい、プリプリしながら帰宅の途につく藤田嬢。
  • 女子御三家「桂蔭学園」(もちろんモデルは桜蔭学園)の中等部に通う藤田。
    同級生の町田・久保田をそそのかして投資部を結成する。
    これ以後、インベスターZの物語は道塾学園の投資部と桂蔭学園の投資部のふたつの場面が平行して進行していきます。

    • 町田・久保田の両名に10万円を投資するようそそのかす藤田。
      自身が投資の神様とあがめるウォーレン・バフェットを例にとり、集中投資でリスクをとるよう強く勧める。
    • 町田・久保田の両名をコンビニエンスストア大手「セブンイレブン」に連れて行く藤田。
      セブンイレブンを運営する「セブンアンドアイホールディングス」への投資を勧める。
      まずは安定した優良株を長期保有し、残りの資金でリスクが高い株に投資するのが良いと主張する*3。
  • 時を同じくしてセブンイレブンでばったりと出会った財前と投資部の先輩である安ヶ平。
    セブンイレブンのビジネスモデルやセブンアンドアイホールディングスへの投資判断について話し合う*4。

    • 企業が起こす革命には「動」と「静」があるとする安ヶ平。
      「動」とは革命的製品により市場を席巻すること、「静」とは細かい改善を繰り返して堅実に成長を続けていくこと。
    • 「静」の革命を続けるセブンイレブンは投資先として有望ではないかと考える財前。
      「そうではない、買ってみればわかる」と優しく諭す安ヶ平。
    • 安ヶ平のコメントについて考え続けた財前は、既に市場で評価されている株を買っても大きな利益は見込めない、大きな利益をあげるためには株式市場で付けられている値段に対して異論を示さないとならない、それがバフェットのやっていたことである、と看破する*5。

みんなが安いと思っている株に「そうではない」と異論を堂々と展開すること!
一般的な評価が現実より低く見積もられている株を正当に評価すること!
それが本当の投資!

市場で評価されている株価を受け入れて平均的なリターンに満足していては、(本書で例としてあげられている)バフェットのような大きな利益を得ることはできません。
実際の評価よりも大幅に割安に評価・放置されている株を見つけ、集中投資することができれば、いずれは大きな利益を得ることができるかもしれません。
投資の格言にも、「人の行く 裏に道あり 花の山」と言います。

ところが、「市場の評価に異議を唱える」のは簡単にできますが、実際に市場よりも正しく株価を評価することは困難です。
なぜなら、プロフェッショナル・アマチュアを問わず、数多くの人間(やコンピュータ)が人よりはやく市場での評価の歪みを見つけようと競い合っているからです。
自分ひとりだけが正しく株価を評価できる、ということは、実際にはあまりないでしょう。
逆に、市場では周知となっている事実を自分だけが知らず、誤った評価で誤った取引をしてしまう、ということはしばしばあります。

難しいことではありますが、もし自分が市場よりも正しい判断をできるのであれば、集中投資で莫大な富を築くことができるかもしれません*6。
オマハの賢人、ウォーレン・バフェットのように…。

インベスターZの第3巻では、「企業の価値とは何ぞや」というところに踏み込んで、物語が展開しました。

ウォーレン・バフェットのいわゆる「バリュー投資」は、誤解を恐れずざっくり言うと、企業の本来の価値に比べて割安に放置されている株を買い、正当な株価で評価されるまで待つという戦略です。
道塾学園の投資部が得意とするスイングトレード的な手法とは相容れないものですが、株式投資の世界では王道的な戦略のひとつとなっています。

市場はおおむね価格付けを誤りませんが、時として大きく誤ることがあります。
企業の本来の価値よりも安く評価されたり、高く評価されたりします。
「企業の本来の価値」を見抜いて、市場の評価の誤りに気がつけば株式投資に負けることはないでしょうが、はて「企業の本来の価値とは何か」と考えると、わたくしは深淵を覗き込む気持ちになります。

市場は誤ることがある、企業の価値を見抜く…。
言葉で言うのは簡単ですが、行うのは難しいです。
インベスターZの3巻では、読者をそのように深い世界へと誘う書となっており、実に面白い巻です。

インベスターZ、4巻を読んだ感想

インベスターZ、4巻のあらすじはこんな感じです。

  • (前巻の最後で)投資部の金庫に眠る芸術作品や仏像などの実物資産を売り払うことを部員に提案した財前。
    芸術作品を金庫に眠らせておくのではただのガラクタであると投資部の先輩を煽り、これらを売ってベンチャー企業に投資しようと説得工作を図る。
    • この財前の説得工作に対して投資部主将の神代は、部活の範囲ではベンチャー投資に対応できる時間はないため不可能であると断る。
      部活では、限られた時間の中で分析のしやすい、情報量の豊富な上場企業のみを投資対象にするべきである、との考え。
    • その後の説得工作により、なんやかんやあって藤田家当主に直接説明をすることを条件に許可される。
  • 藤田家当主・藤田繁富にベンチャー投資について説明しに行く財前。
    • 藤田の答えは「ノー」。日本のベンチャー企業はその93%が設立から10年以内に潰れる。
      残りの7%もかろうじて経営を維持している状態。
      100社起業しても1社しか成功しない。
      中学生である財前がその1社を選べるとは思えない。
    • これに対して財前は、アメリカに対する恨みつらみを持ち出して説得工作を図る。
      戦争に負け、インターネットで負け、コンテンツビジネスでも負け、今度はバイオで負けるのか?
      いや、バイオでは負けたくない。
    • バイオ関係の市場はこれから巨大に成長する、バイオ技術にはモノづくりの技術が必要である、バイオ市場を獲得するのはモノづくりの得意な日本企業である、という三段論法で説得を図る財前。
    • なんやかんやあってベンチャー投資が許可される。
      ただし、投資に失敗したら一生藤田家の書生となること、という条件付き。

なお、この後、同じ作者の「エンゼルバンク」に登場した海老沢が出てきて、本作がエンゼルバンク、ひいてはドラゴン桜の世界とつながっていることが示唆されております。
今回、海老沢は大学生相手の就活セミナーの講師として出てきます。

ベンチャー投資といっても色々あると思うんですが、どういう感じの投資になるのでしょうか。
アーリーステージのベンチャー企業であれば資金の出し手を選ぶと思いますし、上場した後のベンチャー企業にはあまりうまみがないような気がします。
投資部レベル(といっても3,000億円も運用しております)で可能なベンチャー投資のスキームが描かれるなら、個人投資家レベルのベンチャー投資にも参考になるかもしれません。

ベンチャー投資は夢が膨らむ楽しいものですが、その反面、ものすごくハイリスクな投資です。
わたくしは、投資部主将の神代が言っているように、限られた時間で投資を行うので投資先は上場企業ばかりです。
そもそも、お金もコネもないのでベンチャー企業に投資する機会すらありません(最近は、ファンドへの投資の方が主体になっています)。
だからこそ、インベスターZでベンチャー投資が描かれているのにはすごくワクワクしております。

インベスターZ、5巻を読んだ感想

インベスターZ、5巻のあらすじはこんな感じです。。

  • 投資部の活動(麻雀)中、「ロクルート」が子会社の「メディアカントリー」を売却するというニュースがある。
    • 投資部の先輩達は、「ロクルートは本業で順調に黒字を続けているが、それが優良子会社を売るのはおかしい。
      経営不振になりつつあって、高く売れるうちに子会社を売っておこうということか?
      そうであれば、ロクルート株は売りだ」と考える。
    • これに対して財前は、この子会社売却は三ヶ月前に交代した新しい経営トップの戦略的な判断であり、ロクルートは買いであると主張する。
    • 経営トップは、三ヶ月前に孫子を引いて「彼を知り己を知れば百戦してあやうからず」とツイッターに投稿していた。
      これは、本来の事業分野とそうでないものに分けて、選択と集中を強力に進めていくという経営陣の意思表明だったのだ、こういう経営陣なら業績向上も期待できるのだ、というのが財前の主張である。
  • 次の日、投資部主将の神代のもとに、テニスで神代に負かされて自身を喪失したテニス部員が訪れる。
    • 神代は、テニス部員が負けたのはテニス部員が全てを上手くやろうとしていたからだ、と説く。
    • 成功する時は、やらないことはやらないと決めた時。
      逆にあれもこれもやることを増やしてしまうのは決断できていない時。
      全てを完璧にこなすことはできないので、必ず失敗する…。
    • 何かひとつ、これと決めたものがあって自信が生まれれば、それで十分じゃないか。
  • 日露戦争当時にタイムスリップする(夢オチ)。
  • 食堂で知らない先輩と揉める。

インベスターZの5巻のテーマのひとつは、「選択と集中」でした。

バブルの頃でしょうか。
日本企業においては経営の多角化が叫ばれ、コングロマリッド的・総花的経営がなされていました。
バブル崩壊の頃から、今度は「選択と集中」が叫ばれ始め、リストラクチャの嵐が吹き荒れることになったのです。

「選択と集中」と言うのは簡単ですが、行うのは簡単ではありません。
将来、どのような事業が拡大するかは事前にはわかりませんし、わかったとしてもリストラクチャを進めるのは大変です。
社員の解雇は経営陣・管理者層にガッツが求められます。
社員に対する求心力も低下します。
それでも、一般的にはリストラクチャを進めた方が株価は上がることになっているようです。

赤字の事業を切り離すことができればバランスシートは改善しますし、収益も多分に向上するでしょう。
しかしながら、もしかしたらリストラクチャを行った会社で最も評価されるのは、経営陣の実行力なのかもしれません。

始めから余計な事業を行わない、自社の強みを活かした事業しか行わないと決めていたとしても、事業を行っている限り、どこかで新しい分野にチャレンジすることが求められるでしょう。
そういったときに、どのように「選択と集中」を行うのか。
これは、外野が見ている以上に、経営陣にとっては難しい舵取りとなると思います。

投資家としては、必要なチャレンジはしつつも、自社の強みを活かして「選択と集中」ができている企業を選ぶ目を養わなければならないと思います。

インベスターZ、6巻を読んだ感想

  • 母方の祖父から、旭川にロケットを打ち上げている会社があるから打ち上げを見に行こうと誘われる(注:財前は北海道在住)。
    調べてみると、そのベンチャー企業の社長は投資部のOBであるということが判明する。

    • 投資部の先輩から、「そういえばベンチャー投資はどうなっているのか?」という質問され、まだ一円も投資できていないとバツが悪そうに答える財前。
    • 投資部主将の神代からベンチャーについて何もわかっていないことを見抜かれ、ロケットの打ち上げをしているベンチャー企業の社長に会い、ベンチャーについて学んでくるよう命じられる。
  • ベンチャー企業の社長に会った財前。
    ロケットの開発は他社でも進んでいるのではないか、他社に先を越される心配はないかと質問する。

    • ベンチャー企業はファーストペンギンになれる。
      ファーストペンギンとは、群れの中から最初に海に飛び込むペンギンのこと。
      ベンチャー事業で成功するということは、ファーストペンギンになるということである。
    • 海の中では何があるかわからない。
      ファーストペンギンにはリスクがあるが、それでもリスクを冒して飛び込むのがファーストペンギンだ。
    • ファーストペンギンが飛び込んで安全だとわかると他のペンギン達も飛び込むが、魚を奪い合う激しい競争になる。
      後から飛び込んだペンギンには魚にありつけないものもいる。
      リスクを冒してはじめに飛び込んだペンギンは丸々と太り子孫を残すことができる。
  • ベンチャー企業の社長の人間の大きさに感服した財前。
    「こういう人に投資したい、するべきだ」と思い、資金を提供したいと申し出たが、「いらねえよ、お前の金なんか」とにべなくはねつけられる。
    • 勝つとか負けるとかが口癖になってる投資家は最悪である。
      こういう投資家は、ちょっと勝つとすぐにリターンを求める。
      すると短期的なビジネスで勝つことが目的になってしまう。
    • ベンチャー事業は文字どおり冒険である。
      広い心を持った、未来を見通せる人でなければ一緒に冒険はできない。
    • そもそも、同じ事業をやっている人たちは敵ではなく、同じ夢を持った仲間である。
      その中の誰が成功しても構わない。
    • 世界は広い。
      競争とか、勝負とかはバカらしい。
      投資をするなら、もっと大きな視点でモノを見ること、もっとデッカイ人間になること。

会社の立ち上げ期に誰からどのような形でお金を入れるのかというのは、ベンチャー企業の経営者にとってとても重要な問題です。
反社・反資のお金は論外ですが、ベンチャーキャピタルからのお金を入れることについても賛否が分かれるところです。
要は、経営陣と資金の出し手の目的・目標が一致していて、かつ投資の条件も合致していなければ、ベンチャー経営者にとってみれば資金を受け入れることは難しいということです。

インベスターZの4巻の感想で、わたくしはこう書きました。

ベンチャー投資といっても色々あると思うんですが、どういう感じの投資になるのでしょうか。
アーリーステージのベンチャー企業であれば資金の出し手を選ぶと思いますし、上場した後のベンチャー企業にはあまりうまみがないような気がします。

インベスターZの6巻では、財前からの出資のオファーに対して、ベンチャー企業側から断りを入れられる形になりました。
財前は、自分の認識の甘さを反省し、次の機会を探すこととなりました。
他に志を同じくする会社があればそこに投資するかもしれませんし、しないかもしれません。
これはストーリーが進むのを楽しみに待つしかないので、楽しみに待ちたいところです。

こういう風に、ひとつひとつのアクションをきちっと描いてくれるのは良いですね。
読みながら、色々と考えさせられます。

インベスターZ、7巻を読んだ感想

インベスターZ、7巻のあらすじはこんな感じです。

  • 企業の社是や経営理念を調べ始める桂蔭学園投資部。
  • 「企業について知りたかったら社是を読んでみよう」
  • ここでは、社是社訓の例として以下の企業が取り上げられています。
    • 出光興産:人間尊重
    • 日清食品:決断なき上司は無能と思え。社長に直訴せよ。
    • 永谷園:味ひとすじ
  • 「社是社訓とはその企業の武器とも言える。その言葉一字一句を経営者が考えに考え抜いて作っているかどうか…。世間に公表することを意識して自社の経営哲学や理念を言葉にきちんと落とし込めているかどうか…。」

    そういえば、面白法人カヤックさんが色々な会社の経営理念について調べた結果をのせているウェブサイトが面白いです。

    他社の経営理念を調べてみました|面白法人カヤック

    社是、社訓、企業理念…。大切なことでしょう。

    わたくしの前職については、社是も社訓も経営理念も覚えていません。
    うっすら覚えているような…。
    だから、社是や社訓が本当に大切なものなのかどうかは、肌感覚としてはわかりません。

    ただ、理屈として考えると、社是、社訓、企業理念というのは大切なものに思えます。
    それは、社是や社訓が末端構成員までしっかりと浸透していれば、全社員にひとつの価値基準のようなものが生まれてくるのではないかと思うからです。

    例えば、永谷園の社是「味ひとすじ」であれば、「味をひとすじに追求する」ことを良しとする価値観が全社員に浸透するでしょう。
    安さを求めよう、栄養のバランスを考えよう、というようなことで横道にそれるよりもまずは圧倒的に味を追求する。
    そういった姿勢は、自ずから強力なブランド力につながっていくのではないでしょうか。

    このように、もし良い社是や企業理念のようなものがブランド力につながっていくとすれば、それは企業のブランド力や強みを生み出すものになるのかもしれません。

    わたくしは投資判断をする際に社是や社訓を考慮したことはありませんが、確かに、しっかりとした価値観が浸透している会社の方が、そうでない会社よりも魅力的な感じもします。
    ピーター・ドラッカーだかトム・ピーターズだかもそう言っていました。

    インベスターZ、8巻を読んだ感想

    インベスターZ、8巻のあらすじはこんな感じです。

    • 投資部OBに「ベンチャー村」の会合へ参加するために東京へ連れて行かれる財前。
      この会合はベンチャー投資を行っている人たちから構成されており、この投資部OBもベンチャー投資を行っている。

      • 世の中のことは全てが人と人との繫がりでできている。
        ベンチャー投資はその典型である。
    • ベンチャー村に行くと「ホリエモン」がいる。
      • カネをただ眠らせていても世の中は良くならない。
        自分は、稼いだカネを全て起業か投資に使っている。
        目的は、新しい発想や技術で世の中を便利に、面白くするため。
        それをベンチャーで実現させる。
    • この会合で、投資を受けたい人が投資家に対するプレゼンを行う場が設けられる。
      • 京都大学の学生が「不老不死をビジネスにする」とプレゼンする。
        この学生はアホなアイデアだと周囲から罵倒を受けるも、ホリエモン氏ともう一人の個人投資家がお金を出しても良いと申し出る。
        財前も投資したそうな顔をしてたので、ホリエモン氏に目をかけてもらい、投資家との個別の会合へついて行く。
    • ホリエモン氏がお金を出す条件のひとつは、「東京から札幌までヒッチハイクすること」。
      • 友達に連絡を取ってお金を借りて飛行機で行くか、真面目にヒッチハイクで行くか迷う学生。
        最終的に、ヒッチハイクで行くことにして時間までに目的地に到着する。
      • 赤の他人に頼み込んで車に乗せてもらうのは大変。
        プライドを捨てて目的のために自分を犠牲にしなくてはいけない。
      • 企業経営では、そういう試練を何度も経験する。
        それに耐えられる人間かどうかのテストだった。
    • ビジネスにおいて一番大事なものは「行動力」である。

    今回は、ベンチャー投資よりもベンチャー起業の方に焦点を当てた感じでした。
    堀江氏が登場して発言しているのは、本人の監修があったのでしょうか?

    インベスターZの第8巻の結論は、ベンチャーで成功したいのなら何よりも行動力が大切である、ということでした。

    これは本当にそうだなあと思います。
    ベンチャーは何も無いところに事を興すのですから、座っていたって仕方がないわけです。
    それで、色々と動いているうちに恥をかくことも、恥をかくのを覚悟で動くこともあるでしょう。
    ベンチャー起業というとカッコいいイメージがあるかもしれませんが、その実態は泥臭いことの連続だったりするのかもしれません。

    ベンチャー投資となると、起業家や創業チームにそういった泥臭いことが耐えられるのかどうか、恥をかいてでも事を興そうという気持ちがあるのかどうか、といったところを見抜かないといけないでしょう。
    そうであれば、ベンチャー投資が上場企業への投資と異なるのは、「人間を見る」ことがより重要であるということなのではないでしょうか。

    そのように考えてくると、作中にある「世の中のことは全てが人と人との繫がりでできている。
    ベンチャー投資はその典型である」というような言葉も、また別の意味を持ってきます。

    *1:現実の世界では、ソーシャルゲーム大手のガンホーオンラインエンタテイメントの時価総額が本日時点で約6,048億円、9月5日の売買代金が約40億円。ソーシャルゲーム中堅のKlabの時価総額が本日時点で約675億円、9月5日の売買代金が約95億円でした。ひとりで30億円も買えるのでしょうか。

    *2:30億円×110%=33億円。それだけの買いがあるのでしょうか。

    *3:町田・久保田の投資資金は10万円。セブンアンドアイホールディングスの株価は、現在、4,000円そこそこです。取引単位が100株なので、投資資金が足りないような…。端株を買うのでしょうか?

    *4:部員同士でも「投資部の部室を出たら他人と思え」という投資部の規律があったはずですが、良いのでしょうか。

    *5:10%の利益確定ラインと5%の損切りラインを設定されている財前。バフェット的な手法とは親和性がなさそうです。

    *6:わたくしは自分が市場よりも正しい評価をできるとは思っておりませんので、集中投資よりも分散投資が好きです。

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