「インベスターZ」第3巻を読んだ感想

モーニングにおいて連載中のインベスターZの第3巻を読んだ感想を書いていきます。

インベスターZの第2巻の感想はこちら。

「インベスターZ」第2巻を読んだ感想 | Androidアプリ開発@つくばの日記

「インベスターZ」第3巻のあらすじ

  • (第2巻の終わりで)投資部の部室に現れた、財前の通う道塾学園の創始者・藤田金七の玄孫(やしゃご)・藤田美雪。財前に今年の投資目標を質問し、「8%である」という財前の回答に対して「コンサバねえ」と罵る。
    • 「素人に何が分かる」と罵り返す財前に対して、藤田は「9歳の時に投資した1万ドルを3年間で2,000万円にした私の方が投資経験がある」と主張する。
    • 藤田が身に付けていたブランド物の時計を見た財前。「お前は投資家として三流だ」と罵る。その理由は、「その時計の値段の半分は広告費。投資家として一流になりたいのなら自分の中で価値のあるもの以外にはお金を払うべきではない」と主張する。
    • このタイミングで藤田を迎える車が来てしまい、プリプリしながら帰宅の途につく藤田嬢。
  • 女子御三家「桂蔭学園」(もちろんモデルは桜蔭学園)の中等部に通う藤田。同級生の町田・久保田をそそのかして投資部を結成する。これ以後、インベスターZの物語は道塾学園の投資部と桂蔭学園の投資部のふたつの場面が平行して進行していきます。
    • 町田・久保田の両名に10万円を投資するようそそのかす藤田。自身が投資の神様とあがめるウォーレン・バフェットを例にとり、集中投資でリスクをとるよう強く勧める。
    • 町田・久保田の両名をコンビニエンスストア大手「セブンイレブン」に連れて行く藤田。セブンイレブンを運営する「セブンアンドアイホールディングス」への投資を勧める。まずは安定した優良株を長期保有し、残りの資金でリスクが高い株に投資するのが良いと主張する*1。
  • 時を同じくしてセブンイレブンでばったりと出会った財前と投資部の先輩である安ヶ平。セブンイレブンのビジネスモデルやセブンアンドアイホールディングスへの投資判断について話し合う*2。
    • 企業が起こす革命には「動」と「静」があるとする安ヶ平。「動」とは革命的製品により市場を席巻すること、「静」とは細かい改善を繰り返して堅実に成長を続けていくこと。
    • 「静」の革命を続けるセブンイレブンは投資先として有望ではないかと考える財前。「そうではない、買ってみればわかる」と優しく諭す安ヶ平。
    • 安ヶ平のコメントについて考え続けた財前は、既に市場で評価されている株を買っても大きな利益は見込めない、大きな利益をあげるためには株式市場で付けられている値段に対して異論を示さないとならない、それがバフェットのやっていたことである、と看破する*3。

「インベスターZ」第3巻を読んで勉強になったこと

みんなが安いと思っている株に「そうではない」と異論を堂々と展開すること!一般的な評価が現実より低く見積もられている株を正当に評価すること!それが本当の投資!

市場で評価されている株価を受け入れて平均的なリターンに満足していては、(本書で例としてあげられている)バフェットのような大きな利益を得ることはできません。実際の評価よりも大幅に割安に評価・放置されている株を見つけ、集中投資することができれば、いずれは大きな利益を得ることができるかもしれません。投資の格言にも、「人の行く 裏に道あり 花の山」と言います。

ところが、「市場の評価に異議を唱える」のは簡単にできますが、実際に市場よりも正しく株価を評価することは困難です。なぜなら、プロフェッショナル・アマチュアを問わず、数多くの人間(やコンピュータ)が人よりはやく市場での評価の歪みを見つけようと競い合っているからです。自分ひとりだけが正しく株価を評価できる、ということは、実際にはあまりないでしょう。逆に、市場では周知となっている事実を自分だけが知らず、誤った評価で誤った取引をしてしまう、ということはしばしばあります。

難しいことではありますが、もし自分が市場よりも正しい判断をできるのであれば、集中投資で莫大な富を築くことができるかもしれません*4。オマハの賢人、ウォーレン・バフェットのように…。

「インベスターZ」第3巻を読んだ感想

インベスターZの第3巻では、「企業の価値とは何ぞや」というところに踏み込んで、物語が展開しました。

ウォーレン・バフェットのいわゆる「バリュー投資」は、誤解を恐れずざっくり言うと、企業の本来の価値に比べて割安に放置されている株を買い、正当な株価で評価されるまで待つという戦略です。道塾学園の投資部が得意とするスイングトレード的な手法とは相容れないものですが、株式投資の世界では王道的な戦略のひとつとなっています。

市場はおおむね価格付けを誤りませんが、時として大きく誤ることがあります。企業の本来の価値よりも安く評価されたり、高く評価されたりします。「企業の本来の価値」を見抜いて、市場の評価の誤りに気がつけば株式投資に負けることはないでしょうが、はて「企業の本来の価値とは何か」と考えると、わたくしは深淵を覗き込む気持ちになります。

市場は誤ることがある、企業の価値を見抜く…。言葉で言うのは簡単ですが、行うのは難しいです。インベスターZの3巻では、読者をそのように深い世界へと誘う書となっており、実に面白い巻です。次巻以降では、どのような物語が展開されるのでしょうか。楽しみです。

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「インベスターZ」第4巻を読んだ感想 | Androidアプリ開発@つくばの日記

*1:町田・久保田の投資資金は10万円。セブンアンドアイホールディングスの株価は、現在、4,000円そこそこです。取引単位が100株なので、投資資金が足りないような…。端株を買うのでしょうか?

*2:部員同士でも「投資部の部室を出たら他人と思え」という投資部の規律があったはずですが、良いのでしょうか。

*3:10%の利益確定ラインと5%の損切りラインを設定されている財前。バフェット的な手法とは親和性がなさそうです。

*4:わたくしは自分が市場よりも正しい評価をできるとは思っておりませんので、集中投資よりも分散投資が好きです。

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